10月の3連休明けの火曜日、この日を逃すと計画予定が1ヶ月遅れてしまう可能性が…

そもそも、何でそんなギリギリなの?……って…?

提出2週間前を過ぎても施主様との会議で、もっとこうしたい。ああしたい。どうしたらいいか。っていう会話が出てくるからです。

それほど、大人たちが集まって、真剣にギリギリまで考えて考えて、より素敵なものをつくりたい。と

していたからです。

どうにか、その気持ちを繋げたい。そう思って責任を感じていました。

朝のざわめき


今日は、行政にまちづくり条例関係の図書を提出する日。

朝から心が落ち着かず、机に向かっていても、どこか呼吸が浅い。

確認しても確認しても、提出書類に違和感を持ってしまう。
必要な情報は書いているか、足りない図面や書類はないか、計算式が間違っていないか。

一枚一枚の紙にすべての責任がのしかかってくるようで、
息がつまる。。。

提出期限は17時。

パソコンの画面に表示される時刻が進むたびに、鼓動がはやくなる。

仕事をしているというより、
まるで時間に追いかけられているようだった。

午後の静けさ


昼を過ぎても、何かを食べる気になれなかった。

頭の中では、印刷時間と提出物の確認をしつつ、今日の別作業を進めていく…

提出図面がまるでフラッシュカードのように頭に浮かんでは消えていく。

建築に関わる仕事のなかでも、
行政提出はやっぱり独特の緊張感がある。

設計図が、単なる図面から「社会のルール」に照らされる瞬間。

丁寧に描いても、
ほんの少しのずれで通らなくなる。
それが怖くて、でも、同時に責任のある作業でもあると思う。

17時


タイムリミットの17時、ようやく図書を提出。
すべてをそろえて窓口に出した。

担当の窓口の方が1枚づつ、提出物を確認していく。
本日付で、受け取ります。

そう言われて、緊張がすーっと抜けた。ふっと深呼吸ができた。


外へ出ると、夕焼けの光が街に降りていて、
まるで「おつかれさま」と言われたような。

そんな気がして、思わず立ち止まって空を見上げた。

手に残った紙の重さの感触が、
今日一日を乗り越えた証のように感じました。

終わりに


建築の仕事は、図面の線の中だけで完結しないのだと日々感じる。

一枚の紙の向こうには、注文する人、行政の人、現場の人、
そして、これからその場所で暮らす人たちがいる。

今日は、ただ提出をしただけの一日。
でも、そんな日こそ、建築に携わる意味を
少しだけ思い出させてくれた気がする。

提出を終えて、ようやく一息。
今日はもう、静かに過ぎていく時間に身をゆだねよう。

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